なまこマンの地上侵略前線

とある海底にある「なまこ帝国」の尖兵・なまこマン。彼は来るべき地上征服の時のために、地上の情報を片端から集めることにした。 …という体で徳島県中心に中四国のグルメ(主にラーメン)や面白スポットを紹介していこうと思います。

初めてラーメン二郎に行ったときの話

普段ラーメンをそこまで積極的に食べない人でも、「ラーメン二郎」という店の名前を一度は聞いたことがあると思う。

その店で出されるのはとんでもなく大盛りの一杯で、食べきれなかったりモタモタしていると怒られる。そして、その一杯の虜になる者がいる一方で、「豚の餌」などと扱き下ろす者もいる。

ラーメンというみんなが大好きな食べ物を扱う店にしては、やけに仰々しい噂にあふれた店だ。

このラーメン二郎の影響を受け、似たスタイルのラーメンを提供する店舗(いわゆる『二郎系』)は全国各地にあり、僕の地元にもあったのだが、ラーメン好きとして一度は二郎系の本家本元たるラーメン二郎の一杯を、是非食べてみたいと常々思っていた。

そのチャンスが訪れたのは2年前の秋のこと。横浜スタジアムで野球観戦をするために、僕は横浜の関内駅周辺に宿泊した。その時に近く(それなりに歩く距離ではあるが)の「ラーメン二郎 横浜関内店」を訪れたのだが、その時のことを未だに忘れられないので記事にしておこうと思う。

 


 

時刻は17時45分。夜のオープン時間である18時より少し早めに店舗に向かうと、既に行列ができていた。歩道の往来を塞がないよう、皆律儀に歩道の左側に並んでいる。先客に倣い僕も歩道の左側に並ぶと、列はいつの間にかかなり遠いところまで伸びていた。

18時のオープンと同時に店舗から店員が出てきて、列の先頭から数人ずつを店内に案内していく。しかし店員が列をてきぱきと捌いていくのもあって、列の長さに比して回転率は良く、列の中ほどにいたはずの僕はあっという間に列の先頭に来ていた。

案内をスムーズに行うために、客は店内への案内前に食券を購入する必要がある。二郎横浜関内店といえば「汁なし」が有名なのだそうだが、僕が頼んだのはオーソドックスな一杯と思われる「大ぶた」(890円)だ。「二郎は小でも多い」と聞いたことがあったのだが、好奇心を抑えきれず冒険して「大」を頼んでしまった。残すと怒られるのに。

そして、僕はついに店内に案内される。店内は狭く、全10席程度。「なるほど、だからこそ並んだ客をてきぱきと処理しないと回せないんだな!」と感心しながら、僕はついに言ってみたかったあのワードを口にすることができた。

「大ぶた、アブラヤサイマシで!」

 ここでラーメン二郎のコールについて簡単に説明する。「ヤサイマシマシ」だの「アブラカラメ」だの、初めての人には何のことやらさっぱりわからない呪文を聞いたことがあるかもしれないが、それは要するにトッピングのことで、「アブラ」は背脂、「カラメ」は辛め(タレを濃くする)、「ヤサイ」と「ニンニク」はそれぞれそのまま野菜盛りとにんにくを意味している。そして、「マシ」はトッピング増量、「マシマシ」はトッピング増量二倍を意味している。(マシマシは店舗によってはできない場合もあるとのこと)

とはいえ、必ずしもコールで注文しなければならないというわけでもない様子なのだが… まあ、形から入りたいお年頃なのだ。

今回の注文はオーソドックスな味を知るためにカラメとニンニクは無しにして、 アブラヤサイマシにした。先客の様子を横目に見ながら、着丼を心待ちにする。

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こちらが「大ぶた」(890円)のアブラヤサイマシだ。で、でかい! ちなみにトッピングは無料なので、アブラヤサイマシにしても特に料金が変わるというわけではない。

写真を見れば一目瞭然だと思うが、二郎の麺はかなり太い。うどんや、つけ麺に使う極太麺を思わせる太さだ。この時点で既に一般的なラーメンとは一線を画している。そして、太い分すぐにスープを吸って伸びてしまうので、天地返し(トッピングの下に埋もれている麺を引っ張り出して上に持ってくること)が必須となる。こういう大盛りラーメンを美味しく食べるときのセオリーとして、まずは麺からやっつけていくのが重要だ。

そんな存在感抜群の極太麺はかなり固めで、噛むとぷつんと切れるような弾力ある独特の食感だ。「ゴワゴワ」という擬音が最も合うかもしれない。非常に食べ応えがあり、口の中でも存在感抜群だ。

スープは豚骨醤油ベースで、アブラをマシにしているのも相まって見た目通りの強い脂感。タレの甘辛い味もかなり強い。

野菜は熱が通りつつもシャキシャキの程よい茹で加減で、素材の甘味を感じる優しい味わいだ。脂っぽくなった口の中を中和してくれる。こんなに野菜がいっぱいなのだから、体に悪いはずがないのだ。

チャーシューもジューシーで柔らかく、脂身がとろとろで食べ応え抜群だ。しょっぱめに味付けされているおかげで、脂のくどさをほとんど感じずに楽しむことができる。

 

麺も、大量に盛られた具も、背脂も非常に強い存在感を放っているわけだが、僕が思うに、この一杯の中で一番存在感を放っていたのはスープだ。脂感と、タレの甘辛い味がとても強い、ジャンキーな味わいだった。そんなスープに対して、トッピングの味はどちらかというとシンプルで、スープの味を妨げない。無骨なフォルムとは裏腹に、麺・スープ・トッピングを合わせて食べた時の味のバランスがしっかり考えられているという繊細な一面に、僕はとても感動した。

味が濃い目で脂もたっぷりなので、確かに苦手な人は苦手だと思う。それでも自分の舌で実際に味わってみて、多くの人が二郎に夢中になる理由の一端がわかったような気がした。

僕が現在住んでいるエリアでは徳島ラーメンの勢力が強く、あいにく二郎系ラーメンを味わえる店はない。(数年前にはあったらしい)

また関東に行くことがあればぜひもう一度味わいたいものだ。今度はニンニクも入れて。